当工房では Amazon Web Services (AWS) だけでなく Microsoft Azure や Google Cloud Platform (GCP) にも対応するというスタンスなので、今回 Microsoft Azure で仮想マシンの作成を行ってみました。その中で気づいた点を、経験の少ない Amazon EC2 との比較でいくつか挙げてみたいと思います。
- Azure 仮想マシンでは、ユーザーが DNS ホスト名を host.cloudapp.net の形で指定します。EC2 のように勝手に決められることはありません。
- デフォルトでは、仮想マシンを起動するごとに IP アドレスが動的に割り当てられます。シャットダウン後も IP アドレスを保持することはできますが、課金が継続するので、そうする意味はあまりありません。しかし前項で書いたように DNS ホスト名が固定で指定できるので、ホスト名で参照する限りそれほど不便にはなりません。もちろん有料オプションで固定 IP アドレスを使うこともできます。
- 課金は分単位です。EC2 のように 1 時間単位に切り上げられることはありませんので、必要な時に短時間だけ起動して使いたいという場合にも無駄が発生しません。
- EC2 の t シリーズに相当するインスタンスはなく、Basic 層の A シリーズを使うことになります。最小構成の A0 インスタンスは RAM 768 MB なので、Windows Server を稼働させるのにはちょっと厳しいですかね。
- 仮想マシンの OS ディスク イメージは、EC2 での EBS のような専用領域でなく、ストレージ アカウントに BLOB として保存されます。A0 インスタンスの Windows Server 2008 R2 の構成で 127 GB が確保されていました。おそらくこの容量分は別途課金されるだろうと思います。
- 仮想マシンを作成すると、クラウド サービスも自動的に有効になります。クラウド サービスについてはまだ手探りなので、何か分かったら改めて記載することにします。
- おまけですが、Microsoft Azure には AWS Console のようなリージョン切り替えがありません。全部一つの画面で一覧できます。
とりあえず現時点で気づいた点を挙げてみました。それほど使い込んでいる訳ではないので、間違いがあれば遠慮なくご指摘ください。
更新: 現在の名称である「Microsoft Azure」に表記を訂正しました。